核抑止力について…

ニュークリア・シェアリング(Nuclear Sharing)というのがあります。「核兵器の共有」という北大西洋条約機構(NATO)の核抑止における政策上の概念です。

NATO内の核保有国である3カ国(フランス、イギリス、アメリカ)のなかで唯一、アメリカだけがニュークリア・シェアリングのための核兵器を提供しています。

現在ニュークリア・シェアリングを受けている国は、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダです。

核抑止力というのがその背景にあります。

核を持っていれば、相手もうかつには攻撃できない、イラクがアメリカに滅ぼされたのは核を持っていなかったからだ…

北朝鮮の論理です。

北朝鮮の暴走を止めるには、国際的に、北朝鮮の金体制を認めること、北朝鮮が核保有国であることを認めること、ただ北朝鮮の核を認めれば、他国も、大国と同等に渡り歩くには核を持てばよいという論理がまかり通ることになります。

何より韓国が核保有に前向きになると思われ、そうなれば日本も核武装議論からは逃れられないということになります。

非核三原則「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」が崩れます。

そこで日本もニュークリア・シェアリングを検討すべきではという議論があります。日米安保によるアメリカの核の庇護から更に進んだ考えです。

ただ核兵器には「先制不使用」の約束があります。

これは、通常戦力、化学・生物兵器による攻撃に核兵器では応酬しないことで、核兵器の役割を「核」対「核」に限定するというものです。

ただ「核」対「核」の戦争になれば、地球は滅亡します。

あくまでも威嚇のためとはいえ、そこに核兵器があることは事実で、かといって、今の核保有国が、同時に完全に、核兵器を放棄してくれるのかどうかは疑問です。

非武装による平和交渉は、やはり理想論、夢のまた夢なのでしょうか。

日本では、核武装の是非と合わせてもうひとつ、敵基地攻撃能力を保有すべきかどうかの議論もあります。

その名のとおり、日本を攻めようとしている状況が把握できれば、日本から相手の基地を攻撃することができるものですが、ただ憲法で認めていない先制攻撃に当たるのかどうかが問題となっています。

敵基地攻撃能力は憲法に違反しないという論理もあります。

北朝鮮問題で、日本国内でも勇ましい議論も出てくるでしょうが、それを感情で捕らえるのではなく、冷静に考えることが必要です。

いまNHK大河ドラマ「直虎」で、浜名湖の気賀という商人の町に「城を建てろ」という今川家からの命令に対し、城建設反対派は、城があるから戦に巻き込まれると主張していました。

戦とは城を落とすことだから、城さえなければ戦渦になることはないという論理です。

日本は戦争放棄を掲げているから、戦後一度も紛争に巻きもまれなかったというのも事実です。

中東においても日本は歓迎されていたのは、日本は武力を保持していない(自衛隊は自衛手段にげんていされた組織であるという考えのもとに)からだともされています。

敵基地攻撃能力は、まさに武力攻撃容認となるわけです。

敵基地攻撃能力を認めることは、気賀に城を建てるようなものなのでしょうかね。

北朝鮮への石油ルートを断つこと、それが北朝鮮への経済封鎖で最も効力のあることかと思われますが、そうなれば戦前の日本みたいに、北朝鮮は暴発してしまうのではないか、それを恐れて中国は、石油輸出中止に二の足を踏んでいえるとも言われています。

北朝鮮難民を受け入れたくない事情は、中国や韓国、ロシアには強くあります。

北朝鮮が核を使用したら、それこそ金体制は崩壊です。

それ以前にも、ミサイル攻撃をしようものなら、そこで北朝鮮は崩壊します。

ただ戦争の直接的被害が、韓国や日本に及ぶということが困るわけです。

金正恩は、自国でFXなどの投資を行っていて、ミサイル発射で儲けているということまでネット上では騒がれています。

あながち否定する話ではない気もしますね。

米朝関係は、実は裏ですでに手を組んでいるという話も聞こえてきます。この手の話に確証はありませんが、話としてはなんとなくうなずけるところはあるとも思えます。

過剰反応、どうもそのあたりを考えたほうが良いようにも思えます。

北朝鮮問題で、今まで日本が守ってきた非核の姿勢、先制攻撃はしないという姿勢までもが覆されることが恐ろしいような気がします。

勇ましい議論に流されない、感情で国民を動かす誘導には冷静に対処しよう、そう思いますね。

マスコミも色がはっきりとしてきました。

サンケイ・グループは、はっきりと、日本の核武装と敵基地攻撃能力の議論から逃げるなと主張しています。

ニュークリア・シェアリングと敵基地攻撃能力の保有の是非

北朝鮮問題から浮かびあがってきた明確な問題は、どうやらこの二つのような気がしますね…

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